小田原市・湯河原町・箱根町・真鶴町・南足柄市・開成町・大井町・松田町・山北町・中井町の獣医師で構成される団体です。

コラム FM小田原 骨折と脱臼

骨折と脱臼について

担当 石川正樹(ほたる動物病院)

 今回は骨折と脱臼についてお話します。
① 骨折について
骨折の原因
骨折は、大半が交通事故や高所からの落下などの強い衝撃により起こります。そのほか、骨腫瘍やクル病など、病気が関係して折れてしまうこともあります。最近の傾向として、猫は昔と変わらず交通事故での骨折が多いのですが、犬は交通事故が減ってきた代わりに、小型犬(特に、チワワ・プードル・ポメラニアン・ミニチュアピンシャー等)の足が細い子を抱っこしていて落として骨折したという症例が多くなりました。
骨折したときの症状
骨折すると、骨折した骨のまわりが腫れて、熱や痛みをもちます。ほかの症状は、骨折した部位や程度によって異なります。足の骨が折れると、折れた足をかばうように上げて歩くようになります。また、足の向きや形がおかしくなることもあります。もし脊椎を骨折してしまうと、神経麻痺により歩けなくなったり、排便・排尿が自分で出来なくなります。また、骨折するほどの衝撃は、脳や内蔵にも損傷を与えている可能性もあるので、もし強い衝撃を受けた可能性がある場合は、すぐに近くの動物病院で診てもらって下さい。
骨折の治療方法
治療は大きく分けて2通りで、外科手術かギプス固定です。外科手術は、骨折した骨をもとの正常な位置に戻し、ピンやプレートで固定します。症状が軽い場合はギプスによる固定で治癒します。しかし、大半が外科手術になるケースが多いです。というのは、動物の場合人間とは違い、おとなしくしている事が難しいからです。
骨折を予防するには
犬の場合は、普段からよくしつけて、リードをつけ、事故を未然に防ぎましょう。猫の場合は、室内飼いが一番の予防方法です。また、丈夫な骨にするためには普段からバランスの良い食事を徹底し、適切な運動をとることも大切です。間違ってカルシウムやビタミンDをたくさん与えると、逆に骨が軟らかくなってしまうので気をつけましょう。

② 脱臼について
脱臼したときの症状
脱臼とは骨と骨の繋ぎ目を覆っている袋が破れて、ずれてしまう状態の事です。関節ならどの場所でも起こり得ますが、一番多いのが膝蓋骨(膝のお皿)脱臼、次に股関節の脱臼です。まれに首の骨や脊椎も脱臼することもあります。症状は、痛みにより足を上げて歩くこと、脱臼したところの熱感と腫れ、足の向きの変化です。痛みに関しては膝蓋骨脱臼の場合はそれほどありませんが、他の関節では痛みが伴います。
脱臼の原因
膝蓋骨脱臼の場合は、小型犬など遺伝的なものから、O脚など体型的に膝蓋骨が外れやすくなる事もあります。他の部位の脱臼では、骨折と同様に外部からの強い衝撃が原因です。股関節形成不全やリウマチなど、関節に問題があるために脱臼してしまうこともあります。
脱臼の治療方法
治療は大きく分けて2通りで、外科手術か包帯による固定です。骨折と同様に、外科手術の適応となる事が多いのですが、包帯による固定が難しい場合に外科手術になります。
脱臼を予防するには
予防は骨折の場合とほとんど同じですが、太らせないようにする事やすべりにくい床にすることも大切です。

このように骨折や脱臼は、気をつけていても避けられないケースもたくさんあります。少しでも減らせられるように、日頃から周囲の環境づくりに心掛けて下さい。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional