小田原市・湯河原町・箱根町・真鶴町・南足柄市・開成町・大井町・松田町・山北町・中井町の獣医師で構成される団体です。

コラム FM小田原 犬の簡単なしつけ

<犬の簡単なしつけ>

担当 神谷圭一(OKどうぶつ病院)

 今回は犬のしつけについて基本的なお話をしましょう。もちろん私はしつけのプロではないので本格的なしつけについてはしつけ教室、訓練所等にまかせるとして、日頃よく飼主から聞かれる問題に答えている範囲で、また今までの臨床経験上のちょっとしたアドバイス程度でお話します。
 犬は元々狼の血を引く動物です。狼は自然界では強力なリーダーの下、群れを造って生活をしています。リーダーの権限は絶体的なものでそれに服従していかなければなりません。1匹で勝手なまた規律を乱す行動は許されません。いわゆる縦社会がしっかり確立しています。それによって厳しい自然界で生きているのです。さて飼犬にとってリーダーは誰でしょうか?当然飼主です。しかし家族の人もたくさんおられるので誰をリーダーにするかですが、普通はおとうさんあるいはおかあさん等の世帯主でしょう。家ではおかあさんの力が一番と言う家庭でも、一応おとうさんを立てて下さい。そして縦社会ですからおとうさん、おかあさん、子供たち(きょうだいでも年の順に)といって最後にワンちゃんとなります。この順番さえうまくいけば、家でも外でも散歩でも病院でも御主人様の言う事を聞くおりこうさんのワンちゃんとなります。しかしこの順番にくるいが生じてワンちゃんが少しでも位が上がると自分より下の人の言う事は聞かなくなります。
よってこの順番は一番大切となります。よく相談される“飼主の言う事を聞かない”あるいは“おとうさんの言う事は聞くけど他の家族はだめ”と言うパターンはこの順番がおかしくなっているのではないでしょうか。
 それではどの様に育てればよい縦社会を造れるかですが、これはなかなか難しい事ですが飼い始めから生後7~8カ月の成長期の性格が形成される時期のしつけがほとんど全てでしょうか。完全に成犬になってからだとなかなか矯正は困難となります。
 まずワンちゃんの思い通りにはさせないと言う事です。めりはりをつけて遊ばせる時はおもいっきり相手をしてあげる、おとなしくさせる時はひたすら我慢させるそして我慢できたらごほうびを与える。その繰り返しで飼主にも時間と根気が必要となります。悪い事をした時は、その悪い事をしてる最中にしかる、後からしかっても何でしかられてるのか理解できません。ほんとは悪い事する直前にこちらがさっして止めさせる事が一番良いでしょう。その繰り返しでワンちゃんも何が悪い事なのか段々と理解してくるのではないでしょうか。それと悪い事をした時はとことん無視する、遊んであげない、逆におりこうさんにしてたらほめてあげる、ごほうびをあげる。この様に悪い事した時しかるよりは良い事をした時ほめてあげる事に重点をおいて育てた方がうまく行くケースが多いようです。
何か子供の教育に共通するものがあるようですね。あとしかる時は言葉でしかも1回でしかる手をあげない、しかる言葉は家族で共通にするというのも大事です。いろいろな言葉を使うと理解できません。とにかく罰はとことん無視というのがけっこう効果があるようです。またおりこうさんの時のごほうびは乱用しないでだしおしみして下さい。あまりやり過ぎると食事に影響しますので注意が必要です。あと多頭飼育の場合ですが、先に居るワンちゃんに優先権があります。あとから来たワンちゃんを受け入れる、受け入れないは先のワンちゃん次第で何度かお見合いをさせて様子をみるしかありません。うまく受け入れてくれたら、後は先のワンちゃんをより大切に扱う事が重要です。後から来たワンちゃんに家族の関心が行きがちですが注意が必要です。多頭飼育がうまく行くとワンちゃん達もお互い遊び相手になって生活も楽しくなるのではないでしょうか。

 とにかくしつけはワンちゃんとのより良い関係を築くためには必須ですし、社会生活においても犬を飼う人のマナーとして大切な事です。また我々獣医の立場からすると日常の診療において、よくしつけされているワンちゃんは扱いやすいし、治療もスムースです。
 以上極簡潔にお話しましたが、家族全員の一致団結した協力が不可欠ですのでがんばってやってみて下さい。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional