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コラム FM小田原 犬の発情・交配・妊娠・出産

犬の発情・交配・妊娠・出産

担当 井上京一(ドリトル動物病院)

 雌犬(メスイヌ)が性的に成熟する時期(すなわち初回の発情を迎える時期)は生後7~16ヵ月です。一般的に小型犬は大型犬に比べて性成熟が早い傾向にあります。
性成熟に達した雌犬はその後6~10ヵ月毎に性周期(発情)を繰り返しますが、明瞭な更年期はなく、6~7歳を超えると発情間隔が不規則となり、長くなる傾向があります。
これに対し雄犬(オスイヌ)は雌犬より2~3ヵ月遅れて性成熟しますが、雄犬はその後いつでも交尾する能力があります。従って発情もしくは発情期という用語は雌犬にのみ用いられることに注意して下さい。
雌犬は発情すると動作に落ち着きがなくなり、外陰部は腫れて充血し、血が混じった粘液が出てきます。これを発情出血といいます。またこの時期を発情前期と呼び1週間から10日間続きますが、この間は雄犬を受け入れません。その後雄犬に交尾を許す発情期に入りますが、交配に適した時期は大まかに発情出血が始まってから10~17日目ぐらいと言われています。正確にその時期を知るためには動物病院で検査を受け、確実な交配と受胎をこころがけましょう。また発情前期から発情期は子宮の入り口が開きますので雑菌が入らないように清潔にしてあげて下さい。さらに発情期には雄犬がよって来ますので不要な交配には注意して下さい。
犬の妊娠期間は58~64日といわれています。ほんとうに妊娠したかどうかは1週間に1回体重をできるだけ正確に測定してみることです。体重が徐々に増加するようならば妊娠はほぼ確実ですが、確認のためには交配後25~28日頃にお腹の触診あるいは超音波検査をまた交配後55~57日頃にレントゲン検査を受けさらに母親の栄養管理、出産について獣医師の説明を受けお産に備えて下さい。
出産についてですが、予定日の1日前から体温が少し下がり落ち着かなくなります。いよいよ出産が近づくと陣痛、いわゆるお腹の力みが最初は間隔をあけてその後徐々に間隔が短くなり、やがて破水し胎児が出てきます。通常2~5匹、大型犬では10匹に及ぶこともあり長時間かかる場合もあります。犬ではほとんど自力で出産し、胎盤の処理も行います。しかし犬種によって例えば最近はやりのダックスフント、チワワなどの小型犬やまた初めて出産を迎える犬では難産になるケースも多いので帝王切開による出産も考慮しておく必要があります。

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