コラム FM小田原 犬の心臓病
犬の心臓病について
担当 村山義則(村山動物病院)
今回は犬の心臓病についてお話をしましょう。
心臓はご存じのとおり体の全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。心臓病とはこのポンプの機能に問題が起こり、様々な障害が起きてしまう病気のことです。
塩分の高い食事、過度の運動、肥満などの要因が長期にわたり心臓に負担を与えることで、徐々に病気が進行してしまうのが心臓病の特徴です。しかしながら、この病気は初期のころにはあまり症状が現れません。症状が現われてくる頃には病状はかなり進んでいる場合が多いのです。
心臓病を疑う症状としては、まず全身の状態と姿勢に注意します。
そして、
①呼吸がはやい、苦しそう
②咳がよく出る
③舌の色が青い、あるいは白っぽい
④お腹が大きくなった
⑤ぐったりしているまたは倒れた
⑥血を吐く
⑦手足が浮腫む
⑧痩せた
⑨少し歩いただけで疲れる
⑩食欲がない
などが見られたら、病院へ行きましょう。犬は自分で伝えることができませんから、毎日接する飼い主さんが気付いて早く受診することが大切です。
このときに患者の情報について、正確に知らせていただきたいのですが、今までにかかった病気、その時に使った薬と効果などです。
そして、心臓の異常をきたす疾病の経過やそれを引き起こした元となる病気の有無を確認し、現在の病状の診断と予後の判定、治療法の選択を行います。
心臓病には、先天性疾患いわゆる「生まれつき」と後天性疾患「生まれてから何らかの原因でなる場合」があります。
先天性疾患は予防の方法がありませんが、犬種・性別などで発症しやすい病気がある程度分かっています。
新しい家族としてわんちゃんを選ぶときには、こういった情報を参考にするとよいでしょう。
後天性疾患も、犬種・性別・年齢・予防歴によって、なりやすい病気があります。犬糸状虫(フィラリア)症などのように予防できる病気は、子犬の時からしっかりと予防してあげてください。
心臓病の予防には食事にも気をつけてあげるとよいでしょう。
タウリンやLーカルニチンなどの栄養素が心臓の働きをサポートするので食事に加えてあげるとよいでしょう。