コラム FM小田原 冬の注意点
冬の注意点
担当 井村尚康(アニイ動物病院)
ワンチャン猫ちゃんを飼っていて、冬に注意すべ点を考えてみましょう。
食べ物は多めに。
気温が下がってくるとワンチャン猫ちゃんは変化してきます。体温を保つエネルギーを得るために、そして作った熱を逃がさない体毛や脂肪を蓄えるためにたくさん食べるようになります。「うちの子は一日カップ○杯。」などと食事の量にこだわりすぎて、寒いのにやせすぎの犬を診察することがあります。肥満しているペットは別ですが、冬は食事を多めに与えるようにしてください。
寒さ対策は。
人間が服を重ねて寒さをしのぐかわりに、犬や猫は体毛を多くして保温に努めるようになります。だとすれば動物に常日頃服を着せるのはよくないことだと考えられます。常時服を着ている犬を診察すると、被毛のふんわり感がなくなっていたり、毛づやがなくバサバサになっていたりしていることがあります。短毛種の犬が散歩するときは服を着てもいいと思いますが、室内ではなるべく着せないようにしてください。とはいっても、本当に寒いときに暖をとれる「巣」のようなスペースは必要です。特に屋外で飼っているワンチャン猫ちゃんの小屋や箱には断熱材を張ったり、覆いをしたりしていつでもそこで暖をとれるようにしておいてあげてください。
膀胱炎に注意。
ワンチャン猫ちゃんを診察していて、冬にかかりやすい病気として真っ先に思い浮かぶのは膀胱炎です。気温が下がると水を飲まなくなります。そうすると尿の量が減っておしっこの回数が減ります。それだけ膀胱には尿が長い時間たまっていることになります。尿のたまっている時間が長いほど細菌が繁殖しやすくなるので、膀胱炎になりやすくなるというわけです。
膀胱炎になると尿道に炎症が起きますから、膀胱に尿がたまっていなくてもおしっこがしたくなって何回もするようになります。そして一回の量は少なくなります。ひどくなると血が混じったり、結石が伴うときは尿閉塞になったりします。
動物が健康で食事管理ができていれば、冬でも膀胱炎になることは少ないですが、もしそんな兆候があるときは早めに獣医に相談して診察を受けてください。
セキセイインコの肺炎。
ワンチャン猫ちゃんと違って、インコなどの鳥類は体温が40度以上あります。そのために一般の細菌類に感染しにくいとされています。しかしながらセキセイインコを入れたかごを冬の屋外に置いたりするとさすがに風邪を引いてしまいます。インコなど熱帯産の鳥類は寒さに弱いので暖かいところにおいて、夜は湯たんぽを入れて覆いをするなどして冷えないように注意してください。