コラム FM小田原 フィラリア予防
フィラリア症について
担当 馬場 貴司(プルート動物病院)
フィラリア症は、蚊によってうつる最も恐ろしい病気のひとつです。
フィラリアは体長20~30cm、大きさ0.5~1mmの心臓や肺動脈に寄生する虫で、
最終的には心臓に到達し、様々な障害を引き起こします。放置すれば死に至ることもあります。
犬フィラリア症の症状として、元気、食欲がない、咳をする、痩せる、呼吸が苦しそうなどがあげられます。また、症状が進行してくると、腹水のためにおなかが膨らんできたり、赤みを帯びた尿をするようになることがあります。
また、突然紅茶やコーヒーのような色の尿をして、急に元気がなくなるようなこともあります。
このように、フィラリア症は大変恐ろしい病気ですが予防法が確立されており、100パーセント防げる病気です。そういった意味で怖がらなくてもいいかもしれません。
予防法としては、月に1回タイプの予防薬が主流となっていて、錠剤、顆粒、チュアブル、肉状のものがあります。また最近では、半年間有効な注射もあります。
予防期間は、蚊の感染が始まって1か月後より始め、蚊の感染が終わってから1か月後までになります。蚊は、気温が約15度以上で血を吸うといわれていますので、小田原では5、6月ごろから11、12月頃までが予防期間となります。
予防薬を投与する前、また注射をする前は、フィラリアに感染していないことを検査する必要があります。 すでにフィラリアに感染していた状態で予防薬を与えると、かえって大切なペット(わんちゃん?)を死に至らしめることもあります。最近では、インターネットでフィラリアの薬を買ったり、個人輸入して与える場合もあるようですが、大きな事故の原因となりますので、必ず小田原市獣医師会の動物病院から処方を受けてください。