コラム FM小田原 鳥の飼育と病気
コンパニオンバードの飼育と主な病気について
担当 村山義則(村山動物病院)
今回は、コンパニオンバードについてお話ししてみたいと思います。
皆さんは、どんな鳥を飼ってみたいですか?色柄がきれいな鳥、姿がカッコいい鳥、かわいい鳥、鳴き声がきれいな鳥、おしゃべりする鳥、いろいろな鳥がいますが、コンパニオンバードとしては丈夫でおとなしく、人懐こくて愛くるしい鳥が良いのではないでしょうか。
コンパニオンバードを飼うにあたって一番大事なことは、自分がほしくて選んだ鳥を一生大切に面倒を見てあげることではないでしょうか。ただ、その鳥がほしいから飼うのではなく、その鳥が飼育できる環境が整っているかどうか確認してから飼いましょう。ご自分の飼育環境に適合している鳥を選択して買うとよいでしょう。日常の管理は清潔を保ち、その鳥の合った飼養管理をすることはもちろんのこと、日常の愛情こそが一番のお世話になるのではないでしょうか。
コンパニオンバードの幸せってなんでしょう。健康であること、長生きできること。それは大事なことですが、それだけではないと思います。幸せとは「愛する、愛されること」毎日をいきいきと生きる喜びをもって暮らすことではないでしょうか。このように飼いなさいなんて、100%正しい飼い方はないと思います。その鳥と飼い主がともに楽しく、快適に暮らせることが一番よいのではないでしょうか。
さてここでコンパニオンバードの主な病気をご紹介しようと思います。鳥にも人と同じように内臓疾患、腫瘍、寄生虫疾患などいろいろな病気がありますが、今回はウイルス感染症を取り上げたいと思います。鳥インフルエンザは最近よく耳にすると思いますが、他に、ニューカッスル病、サーコウイルス感染によるオウム・インコ類の嘴・羽毛病(PBFD)、ポリオーマウイルス感染によるインコのひな病(BFD)、ヘルペスウイルス感染によるパチェコ病(PD)など数多くあります。
その中でも、特にPBFDについてお話ししたいと思います。PBFDは極小のサーコウイルスの感染によって引き起こされ、主症状は羽毛症状や爪・嘴の変形ですが、免疫不全を引き起こす病気なので、病気に対する抵抗力がなくなり、沈鬱、食滞、・下痢など、いろいろな症状が出ます。羽毛障害とは羽毛の変形・変色・脱毛などの症状を指します。換羽ごとに症状が進行し、生えてくる羽毛の状態が悪化するのが特徴です。このような症状が見られたら、すぐに動物病院で診察してもらうとよいでしょう。
PBFDは非常に感染力が強い病気です。感染した鳥の羽毛やフケ、ふんが感染源になります。ですから、羽毛異常を示すなど病気の疑いがあるオウム・インコ類との接触を避けることが何よりの予防になります。PBFDに限らず、コンパニオンバードと接触するときには、必ず手洗いやうがい、さらには消毒を心がけましょう。
鳥の治療にはおのずと限界があります。だからこそ、予防が重要であり、適切な飼養管理、病気の早期発見、早期治療を心がけることが、鳥を飼育する私たち飼い主の義務ではないでしょうか。