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コラム FM小田原 関節の病気

関節の病気について

担当 石川 正樹(ほたる動物病院)

 関節の病気には、若いときに発症する遺伝性のものから、年をとってから発症するものまでさまざまな病気があります。遺伝性のもので特に有名なのが、大型犬に多い股関節形成不全症や骨軟骨症、小型犬に多いレッグペルテス病です。年をとると多い病気は、変性性関節症や骨関節炎などがあります。特殊な病気として、リウマチなどの免疫疾患、細菌・ウイルス・リケッチャなどの感染性関節炎などもあります。
そして、関節の病気になって一番問題になるのは、痛みによるQOL(クオリティー・オブ・ライフ)=生活の質の低下です。年をとって関節の病気になっても、若くして関節の病気になっても、いかによい生活を送ってもらうかを考えてあげる事が大切になります。

そこで、今回は特によく見かける、股関節形成不全症を例にとりあげてみました。

【股関節形成不全症】
股関節形成不全とは、股関節の緩みや、関節炎の原因となる遺伝性疾患です。急速に発育・成長する大型犬に多い病気で、特にゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーに最も多く認められています。
一般的な症状としては、後肢の跛行、よろめき、ふらつき、運動を嫌がり寝てばかりいる、座り方がおかしい、触られるのをいやがる、怒りっぽくなったなどがあります。ただし軽度なものではほとんど症状が表れないこともあり、見た目では分からない事もあります。
診断はレントゲン検査により判断できます。遺伝的な病気を蔓延させないようにするために、レントゲンを評価してくれる専門機関もあります。
基本的な治療は、次の6つがあります。
① 運動制限・運動療法…痛みがあるときは安静にして、調子の良いときは適度な運動をして筋肉をつけてください 
② 体重管理…肥満の子は低カロリーの食事でダイエットをしてください 
③ 環境改善…階段の上下をやめさせたり、床は滑りにくいように絨毯などにします 
④ 薬物療法…鎮痛剤や坑炎症薬 
⑤ サプリメント…コンドロイチン、グルコサミン、緑イ貝、ビタミンCなど
⑥ 外科治療…ほとんどのケースは内科治療で緩和できますが、どうしてもダメな場合に外科治療となります。

ここで説明した内科治療は、どの関節の病気でも大切な事です。病気により使用する薬は違いますが、運動療法、肥満にさせない事、環境の改善などは飼い主さんでないと出来ない治療です。年をとっても元気に暮らせるように、散歩中にでもワンちゃんの歩き方をチェックしてみましょう。

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