小田原市・湯河原町・箱根町・真鶴町・南足柄市・開成町・大井町・松田町・山北町・中井町の獣医師で構成される団体です。

コラム FM小田原 観賞魚の病気と管理

鑑賞魚の病気の予防と飼育管理

担当 飛田邦之(湯河原動物病院)

1.なぜ病気になるのか?
 1)餌の与え過ぎ
 2)餌の質
 3)急な水質の変化
 4)酸素不足
 5)水質の悪化
 6)病魚の持ち込み(傷・感染症など
 7)過密飼育(スレ傷などの発生・酸素不足・水質の悪化など
  以上のようなことが原因になりストレスとなり、病気に対する抵抗 力が低下し、病気となり最悪死に至るのです。

2.予防するにはまず、ストレスを与えない事、それには飼育環境を適切に保つ事です。

3.魚を知ろう
  魚は変温動物なので、水温が上がると体温も上がり、水温が下がると体温も下がる。水温が高いと活発に動き、餌もよく食べるので大きく成長する。水温が低いとあまり動かず、餌の食べも悪くなる。外の池などの魚が冬になると底に沈んで、泳ぎ回らないのは、体温が下がり動けないからです。金魚で15~28℃・錦 鯉で8~35℃(15~28℃)・熱帯魚で 24~28℃位が適温です。
 呼吸は鰓(えら)で自分の周りの水の80%位の酸素を取り入れ、不要なアンモニアなどを排出している。水質が悪くなると、鰓の機能が悪くなり、呼吸困難になりやすい。水面でパクパクするのは、水中の酸素不足を補うために水面近くの空気を水に混ぜて鰓から吸収しているのです。
 体表は、鱗(うろこ)と粘液で守られています。鱗は、歯や骨と同 じ成分で、再生能力が有ります。

4.水温の変化に注意
  常に水温計を入れておき、変化に注意する。特に、水換えのときには、入れる水と出す水の温度差を少なくする。春と秋に病気 が多発するのは、昼と夜との気温差により水温も変化するためです。このように、季節・天候が大きく関わっている。特に、春から夏の急激な高温や雨による水質の変化(外池など)によるストレスで病気になりやすい。
 対策・・低温には、ヒーター(サーモ付き)による水温の安定、高温には、水槽用クーラー・ペットボトルに水を入れ凍らせて水槽内へ・常に一定の量を流水するなど
     
5.餌について
 天然資料・・さなぎ・赤虫・イトミミズなど新鮮で質の良い物を選ぶ。冷凍や乾燥された物は、日付けの若い物・パッケージやラベルのしっかりしている物を選ぶこと。人工飼料・・ペレット・フレークなどの形状で、浮く物・沈む物・乾燥タイプ・半生タイプなど様々有るが、製造日の若い物・成分の分かる物・適量包装の物などを選び、開封後は、冷蔵庫などへ保管し、早く使い切ること。

6.餌の与え方
 時間としては、5~10分で食べ切れる量を1日に2~3回で、水温の変化が少ない日中に与える。夕方遅くや夜間は、水温が下がるで、魚の活動が悪くなり消化不良になりやすく、ストレスの原因になりやすい。

7.水質の安定
  水温・酸素・pH・窒素など
  水温・・前にも述べているが、急激な変化は避ける。
  酸素・・水温が高く活発に活動しているときは、消費量が増える。水温が低ければ、酸素消費量も少なくなる。酸素不足を補うには、エアレーション・水面を波立たせるなどで供給する。
  pH・・・水中の水素イオン濃度の事で、pH7.0は中性・7.0以下で酸性・7.0以上でアルカリ性 水温同様に、急激な変化に魚は弱く、特に水換え時には注意を要する。至適pHは、金魚で6.8~7.1・錦鯉で6.8~7.4・熱帯魚では生息地のpH(アマゾン流域では弱酸性・アフリカのビクトリア湖などでは弱アルカリ性

 以上の事に注意し、週に一回1/4~1/3程度の水換えを定期的に行う。同時に濾過器なども掃除し、水質を一定に保つ様にする。また、水草や水質安定剤の使用などでも、酸素・pHなどを安定させる事が出来る。簡易検査キットなどで、測定しながら安定した水を作り飼育する。

 次回は、病気についてです。

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