小田原市・湯河原町・箱根町・真鶴町・南足柄市・開成町・大井町・松田町・山北町・中井町の獣医師で構成される団体です。

コラム FM小田原 目の異常

眼の病気
パート1 眼の異常

担当 河井有弘(かわい動物病院)

 眼が赤い、白い、腫れてる、目やに・涙がでる、しょぼしょぼする、左右不対象になっているなどなど、普通の人が気づくことでもいろいろな症状があります。

これだけの情報しかない状態で“様子見て大丈夫ですか?“とよく聞かれます。でも実際、眼が赤いといっても、眼のどの部分が赤いのか(眼の中なのか、外なのか)、急になったのか・徐々になったのか、食欲・元気などの状態に変化が無いのか、何をしたら赤くなったのかで、考えられる病気はたくさんあります。
 また、結膜炎を例にあげても、細菌・ウイルスなどが原因なもの、ほこりなど異物が眼に入ったもの、アレルギーが関与しているもの、眼の他の部分に異常があって、二次的に炎症を起こしているものなどいろいろです。内臓に病気があり、その1つの症状として結膜炎を起こすというのも稀ですが存在します。

 人間の眼の病気との1番の違いは、眼が痒いと、掻かないよう我慢することができないことです。眼をどこかにこすりつけたり、前足で掻いてしまうと、さらに眼球自体に傷がつき症状が悪化、最悪は失明してしまう恐れがあります。動物病院には、掻かせない対策もいろいろ用意しています。
 
 私たち獣医は、経験と知識からこれらを見極め、検査が必要なのか、内科治療するのか、外科治療が必要なのか、それとも様子を見るのか判断いたします。
 眼薬も市販のものとは違い、刺激の少ないものを使います。市販の目薬を使われる方がいますが、これはわんちゃん・ねこちゃんにとって非常に刺激が強いため使ってはいけません。必ず、動物病院で処方されたものを使うようにしてください。

眼の異常で来院される子はある程度傾向があります。
子供で元気に飛び跳ね回っている子・・・いろいろなものに顔を突っ込むため眼に傷をつけてしまう
パグ、シーズーなど・・・眼が大きいため、傷をつけやすい。さらに高齢になると涙が少なくなることによっておきる乾燥性角結膜炎(かんそうせいかくけつまくえん)
ビーグル・・・チェリーアイという、眼の内側の組織が外に飛び出してしまうもの
 大型犬・・・肉垂れ(にくだれ)で顔の皮膚が下に引っ張られ、下まぶたがひっくり返ってしまうもの
 カゼをひいている子猫・・・カゼのウイルスが眼に飛び火することによる結膜炎。
 高齢な子・・・白内障(はくないしょう)や硬化症(こうかしょう)。

個々の眼の病気の説明となりますと、立派な分厚い本ができてしまう程です。
次回、機会がありましたら、眼の病気のそれぞれどういうものなのか、たとえば白内障とは?緑内障(りょくないしょう)とは?チェリーアリとは?などなど少しずつご説明したいなと思っています。

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