コラム FM小田原 ペットを迎えるにあたって
<子犬、子猫を家族に迎えるにあたって>
担当 神谷圭一(OKどうぶつ病院)
新しく子犬、子猫その他動物を飼われる方もいらっしゃると思いますので、今回は飼う前の心構えというか、アドバイスをしてみたいと思います。
つい先日「犬と私の10の約束」という映画がありましたが、ご覧になられた犬好きの方も沢山いらっしゃると思います。「犬の十戒」という詩をモチーフにした作品らしいですが、主人公の少女が犬を飼う時に母と交わした10個の約束、それこそが大切なポイントです。当然ながらこれは犬だけでなく、猫その他の動物にもあてはまりますので、今回はペットとして一般論でお話しましょう。
ペットは我々がよく理解してあげて愛情を持って飼えば、必ず我々の良きパートナーあるいは家族の一員として愛情を返してくれるでしょう。そしてまた我々の心を癒してくれる存在でもあります。ところが間違った飼い方、飼うのに不適切な環境、飼う前の準備不足等によりペット、我々双方それぞれのストレスになってしまう事も多々あります。ペットは飼い主を選べません。飼い主の飼い方に従うだけです。ペットは物ではなく生き物です。病気や怪我もあるでしょう。“いらない、面倒見切れない”からといって捨てるのはもっての他、一生死ぬまで世話をするのは当然です。単に“かわいい”気持ちだけでは飼えません。だからこそ飼う前に良く考えてほしいのです。
簡潔にポイントをお話しましょう。
1 あなたの住まいはペットを飼える住居ですか?
ペット飼育禁止の集合住宅も多くあります。
家はペットを飼うのに適当な広さですか?
今は飼える環境でも今後、転居や転勤の予定はないですか?
2 あなたの飼いたいペットは、あなたのライフスタイルに合っていますか?
飼う目的を良く考えて、種類、品種を選びましょう。
3 あなたの家族は全員ペットを飼う事に賛成していますか?
家族の理解と協力は不可欠です。
4 家族にペットに対するアレルギーを持っている方はいませんか?
5 毎日欠かさず世話に時間と手間をかけられますか?
食事、糞・尿の始末、散歩、健康管理などです。
6 あなたの体力で世話ができるペットですか?
7 近隣に迷惑をかけないように配慮できますか?
なき声、排泄物の始末等です。
8 ペットの一生にかかる費用を考えてみましたか?
食費、ペット用品・設備費、健康管理費(病気・怪我の治療、各種予防、日常の手入れなど)特に医療費は概ね高額となります。また高齢の動物の介護費もばかになりません。
9 生涯にわたる計画をたててみましたか?
あなた及び家族の生涯の事をペットの寿命と照らして考えてみて下さい。
10 万一、飼えなくなった時の事を考えていますか?
あなたの代わりをしてくれる方はいますか?
以上きびしいお話もしましたが、もし少しでも不安や不確定要素があるなら、今は飼わない、飼えるようになるまで我慢するというのも、ペットへの愛情の一つです。ペットが天寿を全うするまで、ともに過ごす喜びを共有できるか、生きる全てをあなたに依存するペットを幸せにしてあげられるか、その努力を続けられるか、もう一度自分に問いかけてみて下さい。