小田原市・湯河原町・箱根町・真鶴町・南足柄市・開成町・大井町・松田町・山北町・中井町の獣医師で構成される団体です。

コラム FM小田原 ペットがやってきたら

<子犬・子猫がやってきたら>

担当 神谷圭一(OKどうぶつ病院)

 今回は実際に子犬・子猫を飼い始める時のポイントをお話しましょう。犬・猫にしぼっていますが、他の動物については別の機会にお話します。
犬・猫ともサークル(いわゆる囲い)、ケージ(居住の入れ物)など生活のスペースの確保とその中に犬はトイレとして吸水性のシーツをいれてあげる事、猫は猫砂を入れたトイレ容器(砂の飛び散り防止のフード付きのトイレも売っています)をいれてあげる事、それから餌の準備です。餌は犬の場合、犬種にもよりますが(猫は同じ)生後8ヶ月から10ヶ月ぐらいまでは成長期用、子犬(子猫)用、幼犬(幼猫)用と言われる物を与えて下さい。いろいろなメーカーの物がありますが、できるだけ名が知れている物を選んで下さい。あまり安い物はお勧めしません。迷った時はショップの方に尋ねてみるのも良いでしょう。また生後1~2ヶ月で補助的にミルク、流動食が必要な場合もあります。自家製の餌で育てる事も可能ですが、栄養を過不足なくしかもバランス良く与えるにはやはりペットフードが良いでしょう。食餌性のアレルギー(食べ物からくる過敏反応)も多いですから。餌の回数は最初は一度にそれほど食べられないので、少量で1日5~6回与えるのが良いでしょう。成長に応じて回数は減らしていって下さい。それから食器、水入れの準備もお願いします。食器は接触性アレルギー(直接触れる事で起こる過敏反応)を考慮すると、ステンレスが良いのではと思います。それから寒い時期でしたらあんか、ホットカーペットなど寒さ除けも必要でしょう。
生活スペースの場所はリビングの片隅など、家族の監視が届く所が良いでしょうが、テレビなど音響設備やあまり家族が集結するソファーがあるような場所からは少し離れた静かな所が落ち着いて良いのではないでしょうか。
生活スペースを設けずそのまま家の中で自由にする事もできますが、隠れる・安心できる場所と言う意味でもあった方が良いと思います。
次に家に来て1週間から10日は、今までいた環境からの違いでストレスを受けやすいので体調の変化に注意が必要です。鼻水・くしゃみ・せきなどカゼ症状、下痢・吐き気など消化器症状はよく見かけます。元気・食欲、便の状態などよく観察して下さい。家に来たてで、家族の方はいっしょに遊ばせたい気持ちはわかりますがほどほどにお願いします。あとよくあるのは、抱っこしていて急にワンチャン、ネコチャンが驚いて飛び降りた時に手・足を痛める事です。小さい子では骨接もありますので注意して下さい。また細かいおもちゃなどの異物を飲み込まない様に気をつけて下さい。
いずれにしても飼い始めて数日したら動物病院に連れて行き、簡単な健康診断を受けて、また予防注射、虫下しなど必要な事は済ませましょう。その時に病気の事、餌の事、育て方、日常の手入れ、去勢・不妊手術などいろいろと質問して下さい。
ちなみに犬・猫とも伝染病予防のために混合ワクチンを生後2~3ヶ月にかけて数回受けられると良いでしょう。さらに犬ではフィラリアという恐い感染症もありますので予防をお勧めします。

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